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評価面談の進め方と状況別の質問例|評価者に配る準備チェックリスト

CoSprint チーム11分
机をはさんで評価者と社員が向き合い、面談をしているイラスト
要点

評価面談は、本人の振り返りを先に聞き、評価結果を事実とともに伝え、次期に伸ばすことと改善することを話し合う順に進めます。評価者と本人の認識が一致する点から話し、ずれる点は根拠となる行動の事実で説明します。評価者が期中の行動の事実を項目ごとにそろえておくと、結果の理由を具体的に説明できます。

上期(4月〜9月)の評価が確定すると、評価者である上司が部下一人ひとりに結果を伝える評価面談(フィードバック面談)が始まります。時期は会社によって異なりますが、上期評価を冬季賞与に反映する会社なら、11月〜12月ごろが面談の時期になります。

評価面談の目的は、評価ランクを伝えることだけでなく、評価結果をもとに本人の行動の改善や意欲の向上につなげることにあります。内閣人事局・人事院の「人事評価ガイド」には、面談の手順と会話例を詳しく示した面談ガイドラインが収められています。国家公務員向けの資料ですが、評価結果を伝えて次期につなげる手順は、評価制度のある民間企業の評価面談でも参考にできます。※1

この記事では、評価面談の進め方と状況別の質問例、評価者に配れる準備チェックリストを紹介します。

評価面談の進め方(4つのステップ)

評価面談は、本人の振り返り、評価結果の伝達、認識のすり合わせ、次期に向けた話し合いの順に進めます。面談ガイドラインは期末面談の目安時間を15分〜30分程度としています。次の表は、ガイドラインが示す期末面談の流れとポイントを、国家公務員に特有の手続き(評語の開示を希望するかの確認)を除いて、4つのステップにまとめたものです。※1

ステップすること評価者が気をつけること
1. 今期の振り返り本人に、自己評価の内容や今期の取り組み、反省点を話してもらう労をねぎらう言葉から始める。本人が話し始めたら、途中で口を挟まない
2. 評価結果の伝達集めた事実をもとに、評価者としての所見と評価結果を説明する結果の良し悪しより、原因とプロセスに目を向ける
3. 認識のすり合わせ評価に対する受け止めを聞き、ずれている点を話し合う認識が一致する点から始め、次に一致しない点を話す
4. 次期に向けた話し合い強みと改善点を事実に即して示し、次期に伸ばすことを話し合う命令ではなく提案の形で伝える。前向きなメッセージで終える

面談で本人が意見を言えることの効果については、研究もあります。27件の研究(32サンプル)をまとめたメタ分析では、評価の過程に参加できている人ほど、評価への満足度などが高い傾向が見られました。評価結果を左右するための参加よりも、意見を聞いてもらうための参加のほうが、満足度などの多くの指標と強く関係していました(相関を示した分析で、面談の順序を比べた研究ではありません)。※3

評価結果を面談の前に伝えておく方法もあります。あらかじめ口頭やメールで評価結果を伝え、面談の場で詳しく説明する進め方です。※1 どちらにするかは会社で決め、評価者全員にそろえて伝えます。

評価者が評価面談の前に準備すること

「なぜこの評価なのか」を説明するには、半年分の行動を項目ごとに思い出す必要があります。評価面談の準備の中心は、評価期間全体の事実をそろえることです。

Job総研が2026年10月に公表した調査(JobQ Town登録者で就業中の476名が回答)では、勤務先に人事評価制度がある387名のうち、評価に不満を感じたことがある283名に不満の内容を聞いています。最も多かったのは「評価の基準」59.7%で、「評価結果の説明や過程」も31.8%ありました。不満の理由では「上司が自分を見ていない」が34.6%でした。※2

期中に評価の判断材料となる事実を集め、強みと改善点を具体的な行動の例としてメモしておく方法もあります。時期と行動の事実を書き留めるメモの例(職務行動記録メモ)も公開されています。※1 面談の前に評価者がそろえておきたいのは、次の4つです。

  1. 評価ランクと項目ごとの評価:調整会議で変わった項目がある場合は、変わった理由
  2. 項目ごとの根拠:いつ、どの仕事で、どんな行動があったか
  3. 本人の自己評価との差:評価が離れている項目と、その理由
  4. 前回の面談で話したこと:前期に伝えた改善点と、その後の変化

部下が8人いれば、評価者は面談の前に、8人それぞれの半年分の仕事をチャットや課題管理の履歴からさかのぼることになります。CoSprint Peopleは、業務ツールに残った仕事の記録を、自社の評価基準に照らして読み解きます。記録から仕事が止まっていたとわかる箇所と、根拠が見つからない基準は、評価面談の論点としてまとめます。

CoSprint Peopleの社員別レビューにある「評価面談の論点」の画面例。前回のレビューで決めた改善点がまだ変わっていない「共有」(カルチャー適合)、記録に根拠がない「後輩の育成」、前回のレビューから大きく伸びた「課題設定」(いずれも職務能力)について、それぞれ質問と次期の対応が一つずつ並ぶ。
画面例:評価面談の論点。前回のレビューからの変化と、記録に根拠がない項目が質問になります。

状況別の評価面談の質問例

質問は、「はい」「いいえ」で答えられるクローズドクエスチョンと、自由に答えてもらうオープンクエスチョンを使い分けます。事実の確認には「〜ということで合っていますか?」、本人に考えてもらう場面には「どう考えていますか」と聞く形が使えます。※1

次の表は、上期評価の面談でよくある場面ごとに、質問例と次期に向けた対応の例をまとめたものです。評価者向けの資料に、そのまま転記して使えます。

場面質問例次期に向けた対応の例
面談の始め「上期を振り返って、手応えがあった仕事はどれですか?」本人が挙げた仕事を、評価結果の説明の中で取り上げる
自己評価の内容を確かめる「自己評価に書いてくれた〇〇の件は、△△まで担当したということで合っていますか?」事実が食い違う点は、記録を確かめて後日あらためて話す
目標を達成した「達成できた一番の要因は何だと思いますか?」うまくいった進め方を、次期の別の仕事でも使う
目標に届かなかった「どこまでは進んで、どこで止まりましたか?」止まった点を一つ決め、次期の目標に入れる
自己評価より評価者の評価が低い「〇〇の項目は、私は△△の点からこの評価にしました。◎◎さんはどう考えていますか?」次の評価ランクに必要な行動を、具体的な場面で伝える
前回の評価より下がった項目「前回と比べて〇〇が変わって見えます。上期に状況の変化はありましたか?」変化の原因を一緒に確かめ、次期に〇〇を確認できる場面を一つ決める
前回の改善点が変わっていない「前回決めた〇〇は、どこで止まりましたか?」止まった点を一つに絞り、次の面談で再確認する
根拠となる事実が見つからない項目「〇〇にあたる仕事で、私が把握していないものはありますか?」記録に残らない場で行った仕事なら、次期はドキュメントや課題に残す
大きく伸びた項目「〇〇が大きく伸びました。何が変わったのか、続けるには何が必要ですか?」〇〇をチームに共有する役割を担ってもらう
評価に納得していない「どの点が納得できないか、もう少し聞かせてください」その場で評価は変えず、本人の意見と事実を記録して人事と確認する
面談の終わり「次期に力を入れたいことは何ですか?」「ほかに伝えておきたいことはありますか?」次期の目標設定面談で扱うことを確認する

表のうち「前回の改善点が変わっていない」「根拠となる事実が見つからない項目」の2つは、CoSprint Peopleが仕事の記録から見つけ、社員ごとに評価面談の論点にまとめます。前回のレビューからの基準ごとの変化もレポートに入ります。「前回の評価より下がった項目」「大きく伸びた項目」の質問も、同じレポートから準備できます。

「前回の評価より下がった項目」「前回の改善点が変わっていない」の場面では、理由を問い詰める聞き方を避けます。面談ガイドラインは、理由や原因を詰問するのではなく、「今後どうしたらできるか、何をすればよいか」と相手の考えを尋ねるよう求めています。※1

評価結果を伝えるときの注意点

評価結果は、行動の事実、評価項目、評価ランクの順につなげて伝えることをおすすめします。面談ガイドラインの会話例にも、相手が理解でき、自分の言動を変えれば対応できる具体的な内容で伝えるよう注記があります。※1「頑張っていた」「主体性が足りない」のような印象の言葉だけで伝えることは避けます。

  • 行動と人柄を分ける:評価するのは評価期間中の行動と成果で、人柄ではありません
  • 評価期間全体の事実で話す:評価の直近の出来事だけで評価を説明しない
  • 評価と関係のない要素を持ち込まない:勤続年数や年齢などの属人的な要素は、評価の対象になりません
  • 調整会議で変わった点は理由まで説明する:一次評価から変わった項目は、変わった理由を評価者が自分の言葉で説明できるようにしておく
  • 改善点は提案の形にする:「〜してください」ではなく、「〜すると、次の評価ランクに近づくと思います」と伝える

人事評価ガイドは、評価期日に近い時期の事実だけでなく評価期間の全期間にわたる事実で評価すること、勤続年数・学歴・年齢・性別などの属人的な要素は評価の対象にならないことを明記しています。※1 CoSprint Peopleは、評価期間全体の仕事の記録から根拠を集め、根拠ごとに原文へのリンクを付けます。評価者は直近の出来事に偏らずに、結果の理由を説明できます。

調整会議で評価が変わった場合の扱いは、評価者による評価のばらつきを抑える方法でも紹介しています。

評価者に配る準備チェックリスト(面談の前・当日・後)

評価者向けの資料に、そのまま入れられる形でまとめました。

段階確認すること
面談の前評価ランクと項目ごとの評価、調整会議で変わった点とその理由を確認したか
面談の前項目ごとに、根拠となる行動の事実(いつ・どの仕事で・何をしたか)を書き出したか
面談の前本人の自己評価と評価が離れている項目に印をつけたか
面談の前前回の面談で伝えた改善点と、その後の変化を確認したか
面談の前根拠となる事実が見つからない項目を、面談で聞くことにしたか
面談の前質問を3〜5つに絞り、次期に向けた対応の案を用意したか
面談の前個室またはオンラインの場所と、余裕のある時間を確保したか
当日本人の振り返りを先に聞き、途中で口を挟まなかったか
当日認識が一致する点から話し、ずれる点は事実で説明したか
当日人柄ではなく、行動と成果について話したか
当日改善点を、命令ではなく提案の形で伝えたか
当日次期に伸ばすことと改善することを、本人と言葉で合意したか
面談の後合意した内容と本人の意見を記録に残したか
面談の後本人が納得していない点を、人事と共有したか
面談の後合意した内容を、次期の目標設定面談で使える形にしたか

評価面談の準備が評価者の記憶頼みになる理由

チェックリストのうち、根拠となる事実と前回からの変化をそろえる項目は、評価者が一人で準備する作業です。評価者が期中にメモを残していなければ、手がかりは記憶と、業務ツールに散らばった履歴だけになります。

  • 事実が業務ツールに分かれて残っている:課題管理、ドキュメント、チャットのどこに何があったかを、部下ごとに探すことになります
  • 直近の出来事に偏るおそれがある:記憶から準備すると、評価の直近の出来事が半年分の説明の中心になりかねません
  • 評価者ごとに準備の深さが変わる:同じ会社の評価面談でも、根拠を示せる評価者と、評価ランクだけを伝える評価者に分かれることがあります

評価者全員が同じ水準で準備するには、期中の仕事の記録から項目ごとの根拠と、面談で聞くべき点を同じ方法でまとめる仕組みが必要です。

CoSprint Peopleで評価面談の論点をつくる

CoSprint Peopleは、課題管理・ドキュメント・チームチャンネルなど、チームがすでに使っている業務ツールとつながります。管理者が一度承認すれば連携でき、DMなど個人間の会話は読みません。社員ごとに、根拠となった記録を引用した評価レポートと、評価面談の論点をつくります。

評価面談の論点には、記録から仕事が止まっていたとわかる箇所と、根拠が見つからない基準が入ります。根拠が見つからない基準は推測で埋めず、空欄のまま「面談で確かめる点」として残します。前回のレビューからの基準ごとの変化もレポートに入るため、前回のレビューから評価が下がった項目や大きく伸びた項目の質問をそのまま準備できます。基準ごとの根拠と原文へのリンクは、PDFの面談資料として書き出せます。

メッセージ数やログイン時間などの活動量は評価に使いません。最終的な評価ランクと面談で伝える内容は、評価者が決めます。評価者と本人が同じ根拠を見て話す進め方は、評価への不満・納得感のページで紹介しています。

一方で、現場作業や外回りの営業のように、仕事の記録が業務ツールにほとんど残らない職種が中心の会社には向きません。その場合は、期中に評価者が職務行動記録メモを残す運用と、この記事の質問例・チェックリストを組み合わせる方法があります。根拠を書く欄のある評価シートは、人事評価シートのテンプレートで無料で配布しています。

よくある質問

Q1. 評価面談の時間はどのくらい取ればよいですか?

内閣人事局の面談ガイドラインは、期末面談の目安を15分〜30分程度としています。評価が前期から大きく変わった人や、本人の自己評価と評価者の評価が離れている人は、話し合う点が増えるため、あらかじめ長めに時間を取っておくと安心です。

Q2. 評価結果は面談の場で初めて伝えるべきですか?

どちらの進め方もあります。面談ガイドラインは、あらかじめ口頭やメールで評価結果を伝えておき、面談の場で詳しく説明する方法も挙げています。結果を先に伝える場合も、面談では本人の振り返りを聞くところから始めます。

Q3. 1on1で評価面談を兼ねてもよいですか?

分けることをおすすめします。面談ガイドラインも、1on1を期中の対話の一つとして紹介し、期首・期末の面談とは分けて書いています。1on1は期中に本人の成長と仕事を支えるための対話で、評価面談は確定した評価結果とその理由を伝え、次期の目標につなげる場です。1on1は期中の相談の場として続け、評価結果とその理由は評価面談で伝えるよう、評価者全員に案内しておきます。

Q4. 本人が評価に納得しないときは、その場で評価を変えてよいですか?

その場では変えないことをおすすめします。評価調整会議などを経て評価を確定する会社の手続きでは、結果を変えるには人事や上位者の確認が必要になります。本人の意見と、評価者が把握していなかった事実を記録し、人事と確認したうえで、後日あらためて回答します。

Q5. 評価者が初めて評価面談をする管理職の場合、何を渡せばよいですか?

面談の進め方(4つのステップ)、状況別の質問例、準備チェックリストの3つを渡し、評価者研修のなかでロールプレイの時間を取る方法もあります。この記事の表は、そのまま評価者向けの資料に転記して使えます。

CoSprintで見る

参考資料

  1. 内閣人事局・人事院「人事評価ガイド《評価者・調整者の手続編》」(2022.06 ver.)資料8「面談ガイドライン」 — 国家公務員向け。p.9「評価の対象範囲」、資料8(通し番号p.31「期中」の評価事実の収集、p.32「期中におけるポイント」、p.33「職務行動記録メモ」、p.34〜37「期末面談」と会話例)
  2. Job総研(2026)「2026年 人事評価の実態調査」 — 2026年10月5日公表、2026年9月2日〜8日調査、JobQ Town登録者で就業中の476名。不満の内容・理由は、人事評価制度がある387名のうち評価に不満を感じたことがある283名の回答
  3. Cawley, B. D., Keeping, L. M., & Levy, P. E.(1998)「Participation in the performance appraisal process and employee reactions: A meta-analytic review of field investigations」Journal of Applied Psychology 83(4), 615–633 — 27件の研究・32のサンプルをまとめたメタ分析。相関関係を示したもの

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