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ポテンシャル採用の見極め方|地頭のいい若手を選考課題で見る

CoSprint チーム9分
要点

ポテンシャル採用では職務経歴で応募者を比べにくいため、「地頭」を問題の分解、質問の仕方、AIの使い方と確かめ方、フィードバックの反映という4つの行動に分け、職務の知識がなくても取り組める選考課題で見ます。課題の後の面接では、進め方の理由と課題で見えなかった点を、全員に同じ質問で確かめます。経験の浅い応募者にとって、選考課題は職務経歴書に書ききれない仕事の進め方を見せる場にもなります。

マイナビは2025年12月、中途採用の担当者1,500名に2026年の採用の見通しを聞きました。2026年に中途採用を予定している担当者のうち、20代の採用について、経験者・未経験者のどちらかまたは両方に「積極的」と答えた割合は合わせて90.8%でした。未経験者(前職と業種・職種がともに異なる人)の採用に積極的と答えた割合も、両方に積極的と未経験者のみ積極的を合わせて62.1%ありました。※1

経験の短い若手を採るとき、職務経歴書だけでは応募者の差が見えにくくなります。この記事では、第二新卒や経験1〜3年の応募者をポテンシャル採用で選考するときに、「地頭」を4つの行動に分け、選考課題と面接の質問で確かめる方法を紹介します。評価基準の表と、課題の後の面接で使う質問の例もまとめました。内容は2026年11月時点のものです。

ポテンシャル採用で比べにくいもの

厚生労働省の令和5年若年者雇用実態調査は、若年正社員を中途採用で選考した事業所に、選考で重視した点を聞いています。上位は「職業意識・勤労意欲・チャレンジ精神」の72.7%と「コミュニケーション能力」の66.9%でした。「業務に役立つ職業経験・訓練経験」は42.3%、「学歴・経歴」は23.1%です。※2

意欲やコミュニケーション能力は、職務経歴書の記載からは比べられません。経験が1〜3年の応募者同士では、書類で差がつかないまま面接に進むと、面接での受け答えの印象や、学歴のような書類上の情報に頼った判断になることもあります。

2026年10月には、ダイヤモンド・オンラインで人材研究所の安藤健氏が、面接で地頭のよさを見分けるための質問を紹介しました。地頭のよさを、知識や経験の量ではなく、頭の回転の速さや論理的・批判的に考える力として説明しています。※3ただ、面接の受け答えからは、実際に手を動かしたときに、どの順番で考え、どこで何を確かめたかまでは見えにくいものです。

選考方法の研究でも、経験の浅い応募者には別の設計が必要だとされています。Sackettらは2023年の論文で、入社後の研修や仕事の中で技能を身につける採用を取り上げています。こうした採用には、ワークサンプル(実務の一部を再現した課題)や職務知識テストは一般に使えないとしています。構造化面接は経験の有無を問わず使えるものの、未経験者向けには職務に特有でない内容に限られる、とも述べています。未経験者向けに作った構造化面接などの予測力が、経験者向けと同じ水準かどうかはまだはっきりしないとしています。※4ポテンシャル採用で選考課題を使うなら、職務の知識を問うのではなく、知識がなくても取り組める題材で、進め方を見る課題にします。

経験の浅い応募者にとっての選考課題

同じ選考課題でも、応募者の経験によって受け止め方が変わることがあります。職務経歴が10年ある応募者にとって、2時間の課題は、経歴ですでに示したことをもう一度確かめられる時間で、負担に感じて辞退することもあります。経験が2年の応募者にとっては、職務経歴書に書ききれない仕事の進め方を見せる機会にもなります。面接の受け答えが得意でない応募者でも、データをどう分け、何を確かめたかは、提出物と取り組みの過程に表れます。

若手の選考課題で生成AIの利用を認めるなら、AIの使い方も見たい点の一つです。AIの答えをそのまま使ったのか、元の資料と突き合わせてから使ったのかは、成果物だけでは見えません。課題に取り組む途中のやり取りに表れます。

途中のやり取りまで読むには、応募者ごとに作業の経過を集め、全員を同じ基準で読む必要があります。応募者が増えるほど、この作業が採用担当者と現場の面接官の負担になります。CoSprintは、チームが実際に抱えた課題をもとに選考課題をつくるAI採用ソリューションです。応募者がAIの同僚に質問しながら取り組む過程を記録します。全員を同じ基準で評価し、発言と成果物を引用したレポートと、面接で確かめる質問をまとめます。合否を決めるのは採用担当者です。

CoSprintの選考レポートの画面例。経験1年8か月の応募者Cについて、CoSprint共通の基準である仕事の基礎力・協働・AI活用の水準が棒で並び、AI活用の行が開いて「元のデータと合わないので、この数字は使いません」という応募者の発言が根拠として引用されている。協働の一部は「根拠なし → 面接で確認」と表示されている。
画面例:経験の浅い応募者の取り組みを基準ごとに評価し、判断の根拠になった発言を引用します。

「地頭」を4つの行動に分けた評価基準

「地頭がいい」という言葉は、そのままでは評価者ごとに意味がずれます。選考課題で見るなら、提出物と途中のやり取りから読み取れる行動に分けて書きます。

基準課題で見る行動高い水準の目安低い水準の目安
問題を分解する課題文の問いを、調べられる小さな問いに分けているか問いを2〜3つに分け、どれから確かめるかとその理由を書いている課題文の問いに、いきなり答えを書いている
質問する足りない情報を、誰に何を聞けば埋まるか考えて聞いているか前提や条件を確かめる質問をしてから作業を進めている質問をせずに前提を自分で置き、置いたことも書いていない
AIを使い、結果を確かめるAIに何を任せ、出てきた答えをどう確かめたかAIの答えを元のデータと突き合わせ、使わなかった部分とその理由を書いているAIの答えをそのまま成果物に使っている
フィードバックを反映する途中で受けた指摘を、どう取り入れたか指摘を受けて変えた点と、変えなかった点の理由を書いている指摘を受けても内容が変わらない、または指摘された箇所だけを直している

経験の浅い応募者の成果物は、資料の体裁や業界の言葉づかいで経験者に見劣りすることがあります。4つの基準は、成果物の完成度とは分けて採点します。

CoSprintには、すべての選考課題に共通する基準が3つあります。「仕事の基礎力」(課題設定・検証・調整)、「協働」(助けを求める・知らせる・すり合わせる・反映する)、「AI活用」(任せる・伝える・見極める・責任を持つ)です。表の4つの行動は、この共通の基準の中で評価します。どの発言や成果物から判断したかは、評価ごとに引用されます。

職務知識を問わない選考課題の作り方

ポテンシャル採用の選考課題は、業界の知識がある応募者ほど有利にならないように作ります。

  1. 判断に必要な情報は課題の中で渡す:業界の知識や社内の用語を前提にせず、架空のデータと前提条件を資料として渡します。
  2. 答えが一つに決まらない問いにする:選び方に考え方が出る問いにします。例えば「来月、問い合わせ件数を減らすために最初に手をつけることを一つ選び、理由とともに提案する」のような問いです。
  3. 質問できる相手を決めておく:課題の途中で前提を確かめられる窓口を用意し、質問の内容も評価の対象になることを伝えます。
  4. 途中で一度、短い指摘を返す:中間の提出物に指摘を返し、最終の提出物でどう変わったかを見ます。
  5. 生成AIの利用範囲と書き添え方を決める:利用を認める場合は、何に使い、どう確かめたかを1〜2行で書いてもらいます。
  6. 所要時間の上限を決めて伝える:在職中に転職活動をしている応募者は、平日の夜や週末に取り組みます。上限と評価の観点を、課題を出す前に伝えます。

記入例:Webマーケティング職(第二新卒・経験1〜3年)

項目記入例
課題の題材架空の通販サイトの会員データと問い合わせ履歴から、来月のメール施策を一つ選んで提案する
渡す資料会員の購入回数の集計表(架空)、問い合わせ履歴20件、過去3か月のメール施策の一覧
成果物A4で1〜2枚の提案。冒頭に、最初に分けた問いとその順番を書く
質問の窓口配属予定部署のメンバー1名。課題中の質問はメールで受け付ける
途中の指摘提案の方向性を一度提出してもらい、短い指摘を返す
生成AI利用可。使った場合は、何に使い、どう確かめたかを書く
所要時間の目安2時間以内

CoSprintでは、チームが今抱えている課題について会議メモやデータを入れると、課題文と評価基準の下書きができます。応募者はAIの同僚に質問しながら取り組むので、何を誰に聞いたか、AIの答えをどう扱ったかが記録されます。この記録が、表の「質問する」「AIを使い、結果を確かめる」の根拠になります。

課題の後の面接で確かめる質問

課題の後の面接では、課題で見えた進め方の理由と、課題では見えなかった点を聞きます。全員に同じ質問を用意し、回答の判断基準も事前に決めておく構造化面接にします。

基準質問の例確かめること
問題を分解する課題で最初に手をつけた問いを選んだ理由を教えてください。選ばなかった問いは、どう扱うつもりでしたか。分け方と順番が、本人の判断によるものか
質問する課題の途中で、聞かずに自分で決めた前提はありましたか。今なら、誰に何を聞きますか。足りない情報に気づき、聞く相手を選べるか
AIを使い、結果を確かめるAIの答えのうち、使わなかった部分と、その理由を教えてください。AIの答えを、根拠と照らして選んでいるか
フィードバックを反映する前職で受けた指摘のうち、仕事の進め方を変えたものを一つ教えてください。課題の外でも、指摘を自分の進め方に取り入れてきたか(課題では確かめにくい)

課題で高い水準だった基準は、面接で繰り返し聞く必要はありません。その分、課題で判断できなかった基準と、職務経歴書の内容と課題の結果が食い違う点に時間を使います。

CoSprintは、記録で判断できなかった基準を推測で埋めず、面接で確かめる質問として残します。

選考課題が合わない場合

次のような場面では、選考課題を作り込むより、別の方法を中心にするほうが合っています。

  • 応募が多く、選考の序盤にいる場合:全員に課題を出すと、応募者と評価者の両方の負担が大きくなります。書類や適性検査で人数を絞ったあとに使います。
  • 入社後すぐに専門知識が必要な職種:ポテンシャル採用ではなく経験者の採用として、職務の知識を問う課題を設計します。経験者向けの課題の作り方は中途採用のミスマッチを減らす選考課題の作り方にまとめています。
  • 応募が数名で、現場が一人ずつ時間をかけて見られる場合:カジュアル面談と面接に、採用担当者が個別に出す簡単な課題を組み合わせれば十分なことがあります。

CoSprintで経験の浅い応募者を比べる

CoSprintの選考課題では、応募者がAIの同僚に質問し、データを読み、提案をまとめます。取り組む期間は企業が決めます。

全員を同じ基準で評価し、発言と成果物を引用したレポートとショートリストにまとめます。職務経歴書は募集要件と照らし合わせ、課題での評価と並べて表示するので、書類の評価と課題の評価が食い違う応募者は、その点を面接で確かめられます。職務能力とカルチャー適合の基準は自社の文書からつくり、合否を決めるのは採用担当者です。

職務経歴書と課題での評価を並べて見る方法は中途採用のページ、新卒採用での使い方は新卒採用のページでご覧いただけます。

よくある質問

Q1. 第二新卒とポテンシャル採用は同じ意味ですか?

同じではありません。第二新卒は、学校を卒業して数年以内に転職する人を指す言葉で、法律などで決まった定義はありません。ポテンシャル採用は、これまでの経験より入社後の伸びしろを重視して選ぶ選考の考え方です。第二新卒の選考をポテンシャル採用で行う場合に、二つが重なります。

Q2. 地頭は適性検査で測れますか?

適性検査で測れるのは、標準化された問題で見た能力や性格の傾向です。仕事を進める順番、質問の仕方、AIの答えの確かめ方は、検査の点数には表れません。適性検査で人数を絞り、そのあとの選考課題と面接で進め方を見る組み合わせが使いやすい形です。

Q3. 選考課題で生成AIの利用を認めると、本人の力が見えなくなりませんか?

利用を認めたうえで、AIの使い方そのものを評価できます。AIの答えをそのまま使ったのか、元の資料と突き合わせてから使ったのかは、提出物だけでは見えにくく、課題に取り組む途中のやり取りに表れます。何をAIに任せ、どう確かめたかを書き添えてもらうと、提出物からも読み取りやすくなります。

Q4. 選考課題の所要時間はどのくらいにすればよいですか?

決まった目安はありません。在職中の応募者は平日の夜や週末に取り組むことになるため、上限を決めて事前に伝えます。この記事の記入例では2時間以内としています。

CoSprintで見る

参考資料

  1. 株式会社マイナビ(2026)「中途採用状況調査2026年版(2025年実績)」 — 2026年3月公表。中途採用業務を担当する人事担当者1,500名、2025年12月17日〜22日調査。Q39(2026年の中途採用の見通し、20代)
  2. 厚生労働省(2024)「令和5年若年者雇用実態調査の概況」 — 事業所調査 有効回答7,867事業所。令和5年10月1日現在。表4「若年正社員の採用選考にあたり重視した点」
  3. 安藤健(2026)「面接で「地頭のいい人」と「それっぽい凡人」を見分ける4つの質問」ダイヤモンド・オンライン — 2026年10月12日公開
  4. Sackett, P. R., Zhang, C., Berry, C. M., & Lievens, F.(2023)「Revisiting the design of selection systems in light of new findings regarding the validity of widely used predictors」Industrial and Organizational Psychology 16(3), 283–300

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